(WS=Win Shares:勝利に対して選手にどれだけ貢献度があったかを表す指標で、3で割るとその選手の貢献した勝利数が算出される。

ピンク色→新外国人、移籍選手 薄い茶色→新人選手 濃い茶色→二年目(一軍出場なし)の選手 灰色→昨年の高校生ドラフトで指名された選手

参考→http://www.ptt.cc/bbs/Baseball/M.1381927514.A.820.html)

 

 

昨年もあと一歩のところで台湾シリーズ進出を逃したエレファンツ。今年は老舗球団の名前も一新、中信兄弟として4年ぶりの台湾シリーズ制覇を狙う。

野手陣は昨年リーグ最下位の475得点であったが、今季はその貧打解消へ向けて5年ぶりの外国人野手羅培茲とドラフトで林威助を獲得。昨年三塁レギュラーとして一年間出場もOPS.638と打力不足が目立った黃仕豪の代役、そして実績ある中距離打者というピースをもう一枚獲得できたことは非常に大きい。1~6番の打線のつながりが非常によく、長打はそれほどないものの率を残せる打者が揃う中軸は相手投手にとって脅威となる。

昨年リーグ最少失点513に抑えた投手陣は外国人投手の獲得状況がはっきりせず不確定な部分もあるものの、先発5人は台湾人投手だけで構成され5人で40勝は見込めそうだ。リリーフ陣は新人の謝榮豪、2年目の王則鈞がブレイクの予感。真田裕貴、湯瑪仕が抜けた穴は大きいが抑えに新外国人の柯隆、ベテラン左腕の黃欽智も加入し大幅なリリーフ陣の戦力ダウンは免れそうだ。

不安は二軍の戦力層の薄さ。昨年も先発ローテ6番手を不調の鄭錡鴻に任せざるをえず、また米吉亞が怪我で離脱した際は中継ぎエース官大元を先発に回さざるを得ない状況にまで追い込まれた。特に二軍の先発候補は盧劭禹しか一軍での実績ある選手がいないだけに、やはり残り1枠となった外国人は先発投手を獲得したほうが賢明な判断といえる。

内野手のバックアップも30歳以下でWin Shares1.0以上を超えた選手がおらず、不安を抱えたまま。内野手のレギュラーは全員30歳以上、彭政閔に至っては36歳でいつ衰えが来てもおかしくない年齢。大差での試合は早めに守備固め、代走を送るなど疲労を残さない起用を心がけたい。

このチームの特徴は前期に調子が上がらず後期に調子を上げる「尻上がり」タイプであること。09年からの前期勝率が.356→.431→.467→.441→.433と5年連続で勝率5割を割る一方で、逆に後期勝率は.569→.600→.533→.576→.483と推移、昨年は後期勝率5割を割ったがシーズン終盤まで後期優勝が狙える位置につけていた。後半に調子が上がるのはキャンプで猛練習をしていてシーズン開幕と同時に疲れが来るからという噂もあるが、後半戦に勝負をかけるスタイルが結果として3年連続であと一歩のところで他球団に優勝をさらわれ、無に帰しているのもまた事実。今年はそろそろ前期からトップスピードで12年ぶりの前期優勝を果たし楽に後期を戦いたい。

 

 

2013年オーダー

 

9張正偉 8張志豪 7郭健瑜 3彭政閔 D周思齊 5黃仕豪 4陳江和 2陳智弘 6王勝偉

 

(先発)林煜清 增菘瑋 陳鴻文 米吉亞 林恩宇 鄭錡鴻 

(中継)官大元 邱俊瑋 羅國華

(セットアッパー)真田裕貴

(抑え)湯瑪仕

 

 

2014年開幕ロースター25人予想

 

9張正偉 8張志豪 5羅培茲 3彭政閔 7周思齊 D林威助 6王勝偉 2王峻杰 4陳江和 

 

(控え)

・捕手 陳智弘 

・内野 黃仕豪 張民諺 蔡明覺

・外野 郭健瑜

 

(先発)林煜清 陳鴻文 增菘瑋 鄭凱文 林恩宇

(中継)謝榮豪 黃欽智 王則鈞 耿伯軒

(セットアッパー)官大元

(抑え)科龍

 

 

・監督、コーチ

 

(一軍)

監督:81謝長亨

打撃コーチ:3王金勇→丘昌榮(6/14~)

ヘッドコーチ兼内野守備コーチ:56陳琦豐

投手コーチ補佐:13葉詠捷→12黃欽智(6/14~)

打撃コーチ補佐:24林威助(6/14~、選手兼任)

外野守備走塁コーチ:70林明憲

トレーニングコーチ補佐:52朱偉銘(選手兼任)

 

 

(二軍)

監督:44林百亨

打撃コーチ:72許閔嵐

投手コーチ:13葉詠捷(6/13まで一軍投手コーチ、6/14~)

バッテリーコーチ:85陳瑞昌(6/13まで一軍バッテリーコーチ、6/14~)

バッテリーコーチ補佐:66林家緯

 

 

・投手

 

15 林煜清(リン・ユーチン) 26歳 右左

 

嘉義市出身

嘉義高工-國立體院(台灣啤酒)-中信鯨レンタル-台灣電力-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 11年D1位

 

兄12 26試合(26先発) 8勝11敗 147.1IP ERA3.91 K/9 6.60 BB/9 3.42 K/BB 1.93 GO/AO0.71 FIP4.28 QS50.0% 

兄13 26試合(26先発) 10勝10敗 157.2IP ERA3.42 K/9 7.14 BB/9 3.25 K/BB 2.19 GO/AO0.72 FIP3.53 QS50.0%

 

兄弟のエース。2年目の昨季は台湾人投手としては全チーム最多の投球イニングを投げ一年間ローテーションを守った。バルカンチェンジと呼ばれるチェンジアップ系のボールが勝負球で、投球フォームはトルネード気味。シーズン中の今年9月~10月に行われる仁川アジア競技大会に召集される可能性があるが、本人は「召集されれば喜んで台湾代表になる」とやる気満々だ。

 

 

42 增菘瑋(ゼン・ソンウェイ) 30歳 右右

 

台東縣出身

台東體中-台灣體院(富邦公牛)-インディアンス-米独立タクソン・トロス-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 10年D1位

 

兄11 7試合(3先発) 1敗 16.2IP ERA6.48 K/9 2.16 BB/9 9.18 K/BB 0.24 GO/AO1.57 FIP7.50 QS0%

兄12 15試合(14先発) 5勝4敗 84.1IP ERA3.63 K/9 4.16 BB/9 1.60 K/BB 2.60 GO/AO1.25 FIP4.24 QS57.1% 

兄13 28試合(27先発) 10勝10敗 152IP ERA3.85 K/9 3.20 BB/9 2.90 K/BB 1.10 GO/AO1.51 FIP4.40 QS37.0% 

 

どん底から復活した右腕。昨季は一年間ローテーションを守り初の2桁勝利。マイナー時代の09年にイップスにかかり、11年には職棒史上初の「ルーキーで開幕投手」の大役も務めたが芳しくないパフォーマンスに終始し、一時は野球を辞めたいと思ったこともあったそうだがチームメイトと首脳陣の励まし、そして家族の支えもあり13年5月に4勝をあげ初の月間MVPを獲得するまでに復活。球場まで祝福に来た母親の前で涙した。

 

 

99 陳鴻文(チェン・ホンウェン) 28歳 右右

 

花蓮縣出身

三民高中-中國文化大學-台北體院-カブス-國訓中心-兄弟象(13)-中信兄弟(14~) 12年D1位

 

兄13 26試合(15先発) 6勝5敗2S1H 112.2IP ERA2.96 K/9 7.75 BB/9 1.76 K/BB 4.41 GO/AO0.97 FIP3.14 QS60.0% 

 

今季は先発一本で活躍目指す右腕。ルーキーイヤーの昨季は開幕から抑えを任され結果を残してきたが先発不足のチーム事情もあり4月末に先発転向、それからも安定した投球を披露した。140キロ台中盤を常時計測する直球が最大の武器。昨年のWBC日本戦で9回に井端に同点タイムリーを浴びたのがこの陳鴻文で、試合後は「あの一球」を失投と認めつつも、自責の念で涙が止まらなかった。

 

 

18 官大元(グァン・ダーユエン) 31歳 右右

 

新竹市出身

磐石高中-嘉義大學-代訓藍レンタル-統一獅レンタル-La New熊レンタル-台北縣-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 10年D4位

 

兄11 45試合(3先発) 10勝5敗1S4H 114.1IP ERA3.46 K/9 7.16 BB/9 3.46 K/BB 2.07 GO/AO1.13 FIP4.37 QS0%

兄12 57試合 11勝3敗7H 89.2IP ERA4.72 K/9 5.62 BB/9 3.01 K/BB 1.87 GO/AO1.24 FIP4.50 

兄13 65試合(2先発) 7勝5敗1S20H 92.1IP ERA2.53 K/9 5.56 BB/9 1.75 K/BB 3.17 GO/AO0.73 FIP3.68 QS100% 

 

兄弟を支える中継ぎエース。昨季は先発ローテが足りないチーム事情の中でシーズン終盤に2試合の先発登板、しかも両方QS達成という貢献ぶり。勝ち運があることで有名で「流れを変える投手」「強運」とファンから呼ばれる。今季は65試合以上登板で出来高獲得という契約で本人もやる気満々であろうが故障には気を付けてもらいたい。ルーキーイヤーの11年の初先発では7回10失点と滅多打ちにあい敗戦投手。10失点はルーキー初先発の最多失点として職棒の記録に残っている。ちなみに11年は5イニング以上のリリーフ登板がなんと5回もあった。

 

 

11 林恩宇(リン・エンユ) 33歳 右右

 

台南市出身

穀保家商-國立體院-國家儲訓-誠泰Cobras代訓-誠泰Cobras(05~06)-東北楽天ゴールデンイーグルス-兄弟象(10~13)-中信兄弟(14~) 03年D1位

 

兄12 1試合(1先発) 1勝 5IP ERA0.00 K/9 7.20 BB/9 3.60 K/BB 2.00 GO/AO0.43 FIP3.16 QS0%

兄13 16試合(16先発) 8勝5敗 85.2IP ERA3.89 K/9 6.20 BB/9 3.78 K/BB 1.64 GO/AO0.62 FIP4.32 QS31.3%

 

一年通しての活躍をしてほしい投手。昨季は兄弟入団後初めてまともに働いたと言えるシーズンだったが、やはり途中離脱があった。オフには給料を巡って球団と対立、球団の未払い分の給料の支給を求めたりしオーナーの怒りを買ったが2万元アップの月給13万元で何とか一件落着。2005年には最速151キロを投げた剛腕も台湾復帰後は平均球速138キロ前後のストレート、スライダーとフォークが主な持ち球にし勝負。肩の故障をしてから体への負担を少なくするため、現在は斉藤和巳(元ソフトバンク)を参考にフォーム改造を進めている。

 

 

21 鄭錡鴻(ジェン・チーホン) 29歳 左左

 

高雄市出身

高苑工商-台灣體院(富邦公牛)-ブルージェイズ-パイレーツ-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 10年D2位

 

兄11 36試合(12先発) 9勝3敗3H 89IP ERA3.84 K/9 3.94 BB/9 3.44 K/BB 1.15 GO/AO1.41 FIP4.91 QS33.3%

兄12 32試合(18先発) 8勝7敗2H 111IP ERA4.30 K/9 5.51 BB/9 3.42 K/BB 1.62 GO/AO2.36 FIP4.07 QS44.4% 

兄13 24試合(12先発) 2勝10敗1H 63IP ERA6.71 K/9 5.29 BB/9 5.71 K/BB 0.93 GO/AO1.30 FIP5.58 QS8.3% 

 

大不振から復活期す先発候補。昨季は例年通りリリーフも先発もこなすも先発時は0勝8敗、ERA5.96と散々だった。とはいえ先発をこなせる投手の枚数が少ない兄弟では彼でローテを埋めるしかない状況であった。135キロ前後のストレート、ドロンと落ちるカーブを中心に打者を打たせて取るゴロボールピッチャー。

 

 

41 羅國華(ルォ・グォファ) 27歳 右右

 

花蓮縣出身

高苑工商-台北體院(榮工)-兄弟象レンタル-統一獅代訓-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~)

 

兄11 32試合 1敗 40IP ERA5.63 K/9 4.28 BB/9 1.13 K/BB 3.80 GO/AO0.51 FIP5.45 

兄12 34試合 1敗6H 27.2IP ERA4.55 K/9 8.13 BB/9 1.95 K/BB 4.17 GO/AO0.77 FIP3.92    

兄13 31試合 1勝1敗1H 44.2IP ERA3.22 K/9 3.83 BB/9 2.01 K/BB 1.90 GO/AO0.42 FIP3.38 

 

昨季プロ初勝利を挙げた中継ぎ右腕。義大の高國輝(長男)の弟、そして今年統一に入団した羅國龍(三男)の兄である。ビハインド時の登板が主だったが、防御率3点台、そしてBB/9の数値の低さは立派。直球が投球の大部分を占めるフライボールピッチャー。

 

 

48 邱俊瑋(チゥ・ジュンウェイ) 27歳 左左

 

花蓮縣出身

華興中學-開南大學-台北市-國家儲訓-兄弟象代訓(11)-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14) 10年D3位

 

兄12 2試合 4IP ERA9.00 K/9 2.25 BB/9 6.75 K/BB 0.33 GO/AO1.00 FIP6.06    

兄13 35試合 2敗4H 42.1IP ERA4.89 K/9 5.10 BB/9 4.46 K/BB 1.14 GO/AO0.74 FIP5.99

 

昨年躍進を遂げた中継ぎ左腕。昨季はビハインド時の登板が多かったものの、対左を.184と抑える左キラーぶりを発揮。しかし制球難、そして被本塁打7本(うち前期だけで6本)と球質の軽さに課題を残した形となった。8月24日を最後に一軍登板はなかったが、今季は貴重な左のリリーフとして一年間安定した活躍を期待したい。

 

 

90 吳明旭(ウー・ミンシュ) 26歳 右右

 

嘉義縣出身

善化高中-立德大學-國訓中心-台東綺麗珊瑚-兄弟象(13)-中信兄弟(14~) 12年D4位

  

兄13 21試合(1先発) 1勝1敗 29IP ERA4.66 K/9 4.97 BB/9 3.72 K/BB 1.33 GO/AO1.30 FIP4.52 QS0% 

 

速球が武器の2年目リリーフ右腕。ルーキーイヤーの昨季は2イニング以上のロングリリーフも6試合こなし、最速151キロを記録した。アマチュア時代は球速も変化球も平凡で特徴のない選手という評価も受けていたが昨季二軍で制球を磨いてから大胆に投げられるようになり球速が増したとか。

 

 

88 耿伯軒(ゲン・ボーシュエン) 30歳 右右

 

台北市出身

華興中學-台灣體院(富邦公牛)-ブルージェイズ-La New熊(09~10)-Lamigo桃猿(11~12)-兄弟象(13)-中信兄弟(14~) 08年D1位

 

ラ11 24試合 2勝1敗1S6H 19.1IP ERA5.59 K/9 4.19 BB/9 4.19 K/BB 1.00 GO/AO1.24 FIP5.20 

ラ12 12試合 1勝1敗3H 10.2IP ERA6.75 K/9 3.38 BB/9 5.06 K/BB 0.67 GO/AO2.00 FIP7.50    

兄13 18試合 1H 21.1IP ERA3.80 K/9 3.38 BB/9 4.64 K/BB 0.73 GO/AO2.06 FIP4.64 

 

中継ぎ右腕。12年オフにLamigoに当時ルーキーの王英山、プラス30万元でトレードにより獲得。サイド気味のフォームからナックルカーブ、シンカーなどを投げ込む。球が高めに浮くことが多く、コマンドが不安定で勝ちパターンで使うには厳しく、また昨季は対左.409と打ちこまれた。

 

 

58 李居冠(リ・ジュグァン) 27歳 右右

 

屏東縣出身

台中高農-台灣體院(富邦公牛)-台灣電力-La New熊代訓-Lamigo桃猿(11)-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 09年D1位

 

ラ11 32試合(5先発) 1勝4敗3H 54.2IP ERA5.76 K/9 3.13 BB/9 2.47 K/BB 1.27 GO/AO1.11 FIP5.06 QS20.0%

兄12 52試合(1先発) 1勝2敗19H 49.2IP ERA3.99 K/9 4.35 BB/9 3.08 K/BB 1.41 GO/AO1.97 FIP4.33 QS0%    

兄13 13試合 1S 13IP ERA7.62 K/9 3.46 BB/9 2.08 K/BB 1.67 GO/AO0.93 FIP3.57 

 

中継ぎ右腕。11年オフに陳冠任とのトレードで兄弟に加入、12年は中継ぎの柱として活躍したが昨季は成績を落とした。

 

 

59 盧劭禹(ルー・シャオユ) 27歳 右右

 

澎湖縣出身

三民高中-嘉義大學-La New熊レンタル-國家儲訓-新北市-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 11年D2位

 

兄12 25試合(7先発) 3勝3敗1H 63.1IP ERA6.54 K/9 3.55 BB/9 3.13 K/BB 1.14 GO/AO0.95 FIP5.28 QS14.3%

兄13 4試合 8.2IP ERA11.42 K/9 2.08 BB/9 1.04 K/BB 2.00 GO/AO0.86 FIP5.15 

 

先発ローテーションに割って入りたい右腕。二軍では33試合に登板、100イニングを投げるも一軍ではほとんど出番なし。リリーフで登板する機会はあったが防御率2桁台と結果出せず。12年は開幕2戦目で2番手として5.1IPをロングリリーフし無失点、3月24日の2試合目、Lamigo戦では銳(元楽天)相手に投げ合い6.2IPを1失点と好投、注目を浴びた。

 

 

43 石孝榮(シ・シャオロン) 26歳 右右

 

台東縣出身

西苑高中-開南大學-興農牛レンタル-台北市-國家儲訓-兄弟象代訓-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 10年D5位

 

兄11(二軍) 34試合(1先発) 2勝2S3H 46.1IP ERA3.69 K/9 2.91 BB/9 1.55 K/BB 1.88 GO/AO1.11

兄12 20試合 27.1IP ERA5.60 K/9 3.29 BB/9 2.63 K/BB 1.25 GO/AO1.16 FIP5.57   

兄13 6試合 5.2IP ERA3.18 K/9 7.94 BB/9 0.00 K/BB - GO/AO1.00 FIP2.71 

 

リリーフ右腕。昨年は12年よりも登板数は減少も8月8日の義大戦では三者三振のナイスピッチングを見せた。大学までは内野手としてプレーしていたが、大学時代にチームの投手不足から投手に転向。

 

 

47 陳偉建(チェン・ウェイジェン) 29歳 左左

 

台中市出身

穀保家商-台灣體院(富邦公牛)-代訓藍レンタル-統一獅レンタル-合作金庫-兄弟象代訓-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 09年D3位

 

兄11 2試合 3IP ERA3.00 K/9 3.00 BB/9 3.00 K/BB 1.00 GO/AO0.13 FIP3.93

兄12(二軍) 44試合(1先発) 65IP ERA3.18 K/9 4.43 BB/9 2.91 K/BB 1.52 GO/AO0.82    

兄13 3試合 2.1IP ERA3.86 K/9 3.86 BB/9 7.71 K/BB 0.50 GO/AO1.00 FIP5.13 

 

そろそろ一軍で結果を出したい左腕。二軍では12年に最優秀防御率、最多ホールドを獲得し昨年も二軍ではチーム2位の78.2IPを投げ、野手不足の際は「1番センター」としても出場した。ストレートは平均130キロ台後半、スライダーが主な変化球。年齢的にも二軍の帝王は脱出したいところ。不足している左の中継ぎとしてチャンスを掴みたい。

 

 

27 王建勛(ワン・ジェンシュン) 29歳 左左

 

台北市出身

華興中學-輔仁大學-誠泰Cobras代訓-米迪亞暴龍代訓-興農牛(09~10)-兄弟象(10)-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 08年D6位

 

兄12 8試合 1敗 15.2IP ERA5.17 K/9 4.60 BB/9 5.17 K/BB 0.89 GO/AO1.69 FIP5.03    

兄13(二軍) 25試合 2勝6敗3H 65IP ERA4.29 K/9 4.57 BB/9 5.68 K/BB 0.80 GO/AO1.39

 

リリーフ左腕。興農在籍時の10年のシーズン途中に方克偉+10万元⇔郭健瑜、王建勛のトレードで兄弟に移籍。同年オフに兄弟を戦力外となるも11年末に兄弟の練習に参加、そのまま復帰。持ち球はスライダーとカーブ。

 

 

75 余書農(ユ・シュノン) 31歳 左左

 

新北市出身

淡江中學-筑波大学-輔仁大學-代訓藍レンタル-兄弟象(13)-中信兄弟(14) 12年D7位

 

兄13(二軍) 37試合(4先発) 5勝6敗1H 64IP ERA6.47 K/9 4.78 BB/9 5.06 K/BB 0.94 GO/AO1.85

 

日本と深いつながりを持つ選手。日本の小学校に通い野球と出会った後、4年生で台湾に戻り、高校は日本語を専攻、大学は筑波大学へ。06年には誠泰の当時打撃コーチだった立川隆史氏の通訳、09年には興農で寺岡孝和投手コーチ(当時)、正田樹(現Lamigo)の通訳を担当した。しかしそんな中でも野球をプレーしたいという思いは抱き続けており、台湾で行われた関西独立リーグ、四国アイランドリーグの入団テストにも参加した経験がある。10~12年までは北京に身を移し、大学野球のコーチ、そして北京のいくつかの学校をまわり野球普及をサポートした。12年オフに29歳で兄弟に入団、昨年がルーキーイヤーだったが投手不足の兄弟二軍でチーム最多の37試合に登板。フォームは若干サイド気味。

 

 

33 王則鈞(ワン・ゼジュン) 19歳 右右

 

雲林縣出身

平鎮高中-兄弟象(13)-中信兄弟(14~) 13年高D3位

 

兄13(二軍) 3試合 1H 2.1IP ERA15.43 K/9 0.00 BB/9 3.86 K/BB 0.00 GO/AO0.75 

 

兄弟投手陣において貴重なプロスペクト。昨年は二軍で3試合に登板、ウインターリーグでは開幕戦(5回無失点)含む4試合に登板しERA2.37、そして19IP/1BBの制球力が光った。変化球であるカーブとチェンジアップはまだまだ向上の余地あり。直球も平均137キロ前後でやや威力不足であるが年齢を考えれば球速の向上は見込めるだろう。練習試合、オープン戦で絶好調で「今年は開幕一軍の可能性もある」と謝長亨監督も期待を寄せる。一軍昇格を果たした場合は救援起用になるものとみられる。

 

 

39 科龍(ロマン・コロン) 35歳 右右 →6/25に解雇

 

ドミニカ出身

モンテ・クリスティ高-ブレーブス-タイガース-ロイヤルズ-起亜タイガース-ドジャース-ロイヤルズ-パイレーツ-ブレーブス-ロッキーズ-中信兄弟(14~)

 

守護神として期待したい右腕。昨年は3A3球団で9試合に登板しERA4.74。195cmの長身から平均94.5マイルのシンカーが投球の半分を占め、スライダー、カーブ、チェンジアップを持ち球とする。リリーフとしては三振を奪うタイプではなくMLB通算のK/9は5.8。

 

 

40 賈羅拉加(アーマンド・ガララーガ) 32歳 右右 →4/25に登録、7/5に解雇

 

ベネズエラ出身

レンジャーズ-タイガース-ダイヤモンドバックス-アストロズ-レッズ-ロッキーズ-レンジャーズ-中信兄弟(14~)

 

2010年6月2日のインディアンス戦で9回二死までパーフェクトな投球を続けるも最後の打者を誤審により内野安打とされた「幻の完全試合」男として一躍注目を浴びた、メジャー通算26勝を挙げた右腕。陳鴻文、林恩宇といった先発投手陣に怪我が相次ぐ中での加入で、月給は約75万台湾ドルと言われている。キャリアハイはタイガース時代の08年に挙げた13勝で、スライダーとシンカーを中心に打たせて取るゴロボールピッチャー。 

 

 

17 湯瑪仕(ブラッド・トーマス) 37歳 左左 →6/28に登録、8/31に解雇

 

オーストラリア出身

ミッチェル高-ツインズ-北海道日本ハムファイターズ-ハンファイーグルス-タイガース-兄弟象(12~13)-中信兄弟(2014~)

 

兄12 41試合 3勝23S1H 48IP ERA0.75 K/9 12.38 BB/9 1.88 K/BB 6.60 GO/AO1.57 FIP1.50    

兄13 45試合 1勝4敗26S3H 46IP ERA1.57 K/9 8.22 BB/9 1.37 K/BB 6.00 GO/AO0.77 FIP2.18 

 

帰ってきた兄弟の守護神。兄弟に在籍した過去2年はいずれも最多セーブ(ただし12年は統一・林岳平との露骨なタイトル争いがあったためタイトル受賞を取り消された)を記録も13年オフに「13年のパフォーマンスが12年ほど優れていない」として契約を更新されず、今季は3月にMLBのオーストラリアでの開幕シリーズの練習試合にオーストラリア代表として出場、その後はオーストラリアン・ベースボールリーグでプレー。前期不振からの挽回を図るチームの外国人補強ポイントに抑えはそこまで大事なのかと言うファンも多いが、台湾での実績がある選手の獲得はやはり大きい。

 

 

39 寇迪(クリス・コディ) 30歳 左左 →7/5に登録

 

アメリカ出身

マンハッタン大-タイガース-ブルワーズ-ブレーブス-米独立ヨーク・レボリューション-中信兄弟(2014~) 

 

不振のガララーガに代わり登録された先発左腕。12年から2年連続で米独立で2桁勝利を挙げ、今季も68.2IPを投げ5勝4敗、ERA3.93とそれなりの成績。直球の球速は140kmに満たないものの制球が良く、7/21現在職棒で3試合に登板し20IP/16K/3BB、まだ勝ちがないもののスタッツ自体は悪くない。左の軟投派は職棒では通用しない傾向があるがその前例を覆せるか注目だ。

 

 

54 桑契斯(ロムロ・サンチェス) 30歳 右右 →8/28に登録

 

ベネズエラ出身

JSA高-パイレーツ-ヤンキース-東北楽天ゴールデンイーグルス-レイズ-メキシカンリーグ・タバスコキャメルトン-中信兄弟(2014~)

 

かつて楽天に在籍した快速球右腕。楽天には11年に在籍し15試合でERA4.96。昨年はメキシカンリーグに在籍も8試合でERA8.59と振るわず、12月にドジャースとマイナー契約。今年3月に解雇された後は所属先なしの状態だった。7月中旬に来台し4人目の外国人として二軍で調整を続けていたが絶好調の耐克による解雇により滑り込みで一軍登録された。そして8/28に一軍初登板も1.0IP/2BB/4Rと制球力と安定感のなさはある意味相変わらずなパフォーマンス。エースの鄭凱文のアジア大会参加による離脱で先発起用の見込みだが、活躍できるかは疑問符が残る。

 

 

62 湯尼(ラモン・ペーニャ) 32歳 右右 →8/31に登録

 

ドミニカ出身

ダイヤモンドバックス-ホワイトソックス-エンゼルス-メキシカンリーグ・モンテレイ-ポップコーンリーグ・崇越隼鷹-中信兄弟(2014~)

 

MLBで実績十分の新守護神。06~11年までMLB通算313試合に登板しキャリアハイは07年の75試合 85.1IP 5勝4敗2S ERA3.27。今季はメキシカンリーグで14試合に投げた後ポップコーンリーグに加入。統一に入団した李韋斯と同じく崇越でプレーした。最速150km近い速球と変化球はスライダーを中心にチェンジアップも投げる。

 

 

12 黃欽智(ファン・チンジ) 36歳 左左 →8/27に引退、投手コーチ補佐に

 

高雄市出身

中華中學-台北體院-合作金庫-TML宏碁金剛(01~02)-誠泰太陽(03)-誠泰Cobras(04~07)-米迪亞暴龍(08)-La New熊(08~10)-Lamigo桃猿(11~13)-中信兄弟(14~) 00年TMLD1位

 

ラ11 26試合(13先発) 7勝4敗6H 86IP ERA4.40 K/9 3.14 BB/9 2.62 K/BB 1.20 GO/AO1.49 FIP4.29 QS46.2%

ラ12 34試合(2先発) 1勝2敗6S5H 41.2IP ERA3.46 K/9 1.94 BB/9 1.73 K/BB 1.13 GO/AO1.31 FIP4.54 QS50.0% 

ラ13 20試合(4先発) 2勝3敗1H 34.1IP ERA3.93 K/9 3.15 BB/9 2.62 K/BB 1.20 GO/AO1.03 FIP3.59 QS0% 

 

新天地でもう一花咲かせたいベテラン左腕。昨年Lamigoを戦力外になった後、今年兄弟の春季キャンプに参加、テストを受けそのまま入団。若手時代は150キロに迫る速球を武器に本格派として鳴らしたが、現在は完全に左の軟投派へとモデルチェンジ、昨年の成績も決して悪いものではなかった。兄弟投手陣では最年長、また貴重な左の実績ある中継ぎとしてこの補強はきっとプラスになることだろう。

 

 

49 鄭凱文(ジェン・カイウェン) 26歳 右右

 

台南市出身

南英商工-中國文化大學-阪神タイガース-横浜DeNAベイスターズ-中信兄弟(14~) 13年D1位

 

元阪神ドラ1。今年のドラフトでも最初に指名され月給約35万元で契約は球団の期待の表れだ。DeNAと育成契約、そこからオープン戦の好投で支配下登録を勝ち取った昨年は開幕3戦目を任されるも1勝もできず、7月には右肘骨棘除去手術を受け、オフに戦力外に。DeNAの残留テストの意味合いがあった昨年11月の日本代表戦で2試合に登板し2.1IPを無失点、最速147キロを投げるなどアピールしたが報われず。昨年先発の枚数不足に悩んだ兄弟の救世主になれるか。

 

 

79 謝榮豪(シェ・ロンハオ) 24歳 右右

 

高雄市出身

穀保家商-台灣體院(富邦公牛)-興農牛レンタル-兄弟象レンタル-台灣電力-國訓中心-台灣電力-中信兄弟(14~) 13年D2位

 

期待の本格派ルーキー。昨年11月9日の日本代表戦ではリリーフ登板で最速148キロを計測した速球が最大の武器で、130キロ前後のスライダーが主な変化球。高校時代は投げ過ぎにより球速が落ち、それにより今度は変化球に頼って投げた結果、より故障を酷くさせ一時期不振に苦しむも大学時代に郭勇志(元興農)が投手コーチに就任、適度な休みをとりつつプレーした結果スピードが戻り、スライダー、チェンジアップも切れが戻ったという。評価が高いのは投球スタイルや内容だけでなく、マウンド上での闘争心もその一つ。怪我さえ気を付ければどこの球団に入っても先発ローテを張れる素材。ただ兄弟はすでに台湾人投手だけで5人先発ローテが確定している状況なので開幕は中継ぎ起用になる見込み。

 

 

77 王梓安(ワン・ズーアン) 24歳 右右

 

桃園縣出身

三信家商-カブス-台中威達-新北市-中信兄弟(14~) 13年D4位

 

197センチの恵まれた体格を持つルーキー。カブスでのマイナー時代は同僚となった陳鴻文とプレーし、今年は台北で一緒に自主トレを行った。145キロ近くを投げられるストレート、カーブの評価が昨年職棒首脳陣の中で高かった。右のリリーフとして期待したい。

 

 

20 江忠城(ジャン・ジョンチェン) 24歳 右右

 

花蓮縣出身

花蓮體中-國立體大(台灣啤酒)-桃園航空城-台中威達-中信兄弟(14~) 14年D1位

 

今年の外れ外れ外れ1位。高校時代の08年のリーグ戦において10日間で先発4試合、救援1試合、27.2IP、432球という酷使に遭いしかもチームは8強入りを逃したことで「悲劇の鉄腕」なるニックネームまでつけられた。パワーピッチするタイプで平均142~146キロの直球とスライダー、そして大学時代に覚えたSFFで勝負する。アマ時代の酷使は心配で、加えて課題の制球が克服できるかも不安が残る。リリーフで起用予定。

 

 

71 杜家明(ドゥ・ジァミン) 18歳 右右

 

台南市出身

平鎮高中-中信兄弟(14~) 14年D4位

 

高校生投手らしからぬ安定感を備えた右腕。昨年はU18代表にも選出された。先発時の球速は134~139km前後もコマンドに優れ打者の内角を丹念に突くことが可能。変化球はチェンジアップ、スライダー、カーブの3種類。184cm、92kgの恵まれた体格ゆえこれからの成長も大きく見込まれる。慌てて一軍昇格はさせずにまずは二軍でじっくりと体作りをしてもらいたい。

 

 

・捕手

 

29 陳智弘(チェン・ジーホン) 36歳 右右 C

 

台東縣出身

南英商工-中國文化大學-合作金庫-兄弟象(06~13)-中信兄弟(14~) 05年D3位

 

兄11 99試合 .215(233-50) 1本 17点 1盗塁 .292/.270 OPS.563 BB% 5.58% K% 19.70% RCWIN -1.27 3失策 守備率.994

兄12 82試合 .229(231-53) 1本 20点 0盗塁 .291/.277 OPS.568 BB% 5.64% K% 16.17% RCWIN -1.63 1失策 守備率.998

兄13 89試合 .196(214-42) 3本 31点 0盗塁 .254/.262 OPS.516 BB% 5.93% K% 21.74% RCWIN -1.47 4失策 守備率.992

 

兄弟の屋台骨を支えるベテラン捕手。32歳の2010年頃からレギュラーとして台頭してきたが今や必要不可欠な存在に。12年後期に怪我で離脱した後、首位を守っていた兄弟はズルズルと後退、優勝を逃し彼の離脱がその要因の一つに挙げられたほどだった。選球眼が悪く、率は低いが意外性のある打撃で昨年は自己最多の3本塁打。

 

 

45 王峻杰(ワン・ジュンジェ) 25歳 右右 C

 

台南市出身

高苑工商-國立體大(台灣啤酒)-崇越科技-合作金庫-國訓中心-兄弟象(13)-中信兄弟(14~) 12年D2位

 

兄13 72試合 .247(170-42) 1本 14点 1盗塁 .287/.306 OPS.593 BB% 4.84% K% 17.20% RCWIN -0.81 4失策 守備率.986

 

未来のレギュラー捕手。昨年は一年目ながら2番手捕手としてベテラン陳智弘と併用されまずまずの成績。小学生時代から注目を浴び、IBAFワールドカップなど国際大会の経験も豊富でアマチュア時代はプロでもすぐに通用するという高い評価を受けていた。シーズンでは右打者でありながら左投手相手に打率.194と苦しんだ。昨年のウインターリーグでは台湾チームの捕手としては最多の13試合に出場。

 

 

26 黃鈞聲(ファン・チュンシェン) 25歳 右右 C

 

台南市出身

南英商工-嘉南藥理科技大學-統一獅レンタル-國家儲訓-兄弟象代訓-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 10年D7位

 

兄11(二軍) 60試合 .294(228-67) 2本 36点 0盗塁 .343/.368 OPS.711 BB% 5.71% K% 11.02% 

兄12 58試合 .231(143-33) 1本 16点 0盗塁 .273/.301 OPS.573 BB% 4.55% K% 20.13% RCWIN -0.76 3失策 守備率.985

兄13 20試合 .231(26-6) 0本 2点 0盗塁 .333/.269 OPS.603 BB% 10.00% K% 16.67% RCWIN -0.14 0失策 守備率1.000

 

打撃でアピールしたい若手捕手。ルーキーの12年に開幕戦「5番DH」でスタメンを勝ちとった打撃が売り。ただ昨年は王峻杰の加入もあり出番が減少。肩とキャッチングも悪くはないが、配球にはやや注文がつくレベル。

 

 

92 陳家駒(チェン・ジャジュ) 25歳 右左 C

 

高雄市出身

穀保家商-中國文化大學-レッドソックス-吳鳳科技大學-桃園航空城-國訓中心-新北市-中信兄弟(14~) 13年D5位

 

マイナーでプレー経験ありのルーキー捕手。08~10年までレッドソックスRk、1Aでプレー。「自信があるのは守備、特に盗塁阻止」と本人が語るとおり、08~09年のマイナーでの阻止率は出場試合は少ないながらも30%超。

12年末のドラフトに元々参加する意向だったが、その頃興農牛の売却騒動などがあり、職棒の環境を考慮し1年遅らせてのプロ入りとなった。

 

 

35 郭峰竣(クォ・フォンジュン) 26歳 右右 C

 

台南市出身

台中高農-國立體大(台灣啤酒)-中信鯨レンタル-桃園航空城-國訓中心-崇越科技-中信兄弟(14~) 13年D8位

 

守備型の捕手。アマ時代はチームに主力捕手がいたために控えに甘んじており、プロ入りはそんな状況を打ち破りたかったからとの噂もある。現状目立った実績、特徴もないため二、三番手捕手が限界か。

 

 

25 周聖訓(ジョウ・シェンシュン) 26歳 右右 C

 

新北市出身

華興中學-輔仁大學-新北市-國訓中心-合作金庫-新北市-中信兄弟(14~) 14年D8位

 

今年指名されたルーキーで一番早く(8/12)一軍に登録された捕手。165cm、79kgという小柄な体型は劉時豪(ラミゴ)そっくりだが、こちらは右打ちで守備型の捕手。大学時代は5番を打つことが多かったが、打撃はあまり期待できずフライアウトが多く選球眼も悪い。逆に守りに関してはアマでも屈指の強肩で配球も上手い。二番手捕手としては良い働きをするであろう。今季は王峻杰の怪我による二軍降格により一早く一軍での経験を積むこととなる。

 

 

・内野手

 

14 王勝偉(ワン・シェンウェイ) 30歳 右右 SS

 

台東縣出身

成功商水-台灣體院(富邦公牛)-兄弟象代訓-兄弟象(08~13)-中信兄弟(14~) 06年D1位

 

兄11 116試合 .281(398-112) 1本 38点 7盗塁 .341/.342 OPS.683 BB% 6.35% K% 14.44% RCWIN -0.67 22失策 守備率.962

兄12 120試合 .285(428-122) 6本 67点 15盗塁 .350/.390 OPS.741 BB% 7.94% K% 15.67% RCWIN 0.17 28失策 守備率.955

兄13 117試合 .249(430-107) 2本 44点 29盗塁 .298/.319 OPS.616 BB% 4.73% K% 17.90% RCWIN -1.18 25失策 守備率.956

 

不動のレギュラー遊撃手。二塁を守る陳江和との二遊間コンビは「勝龜連線」と呼ばれ、兄弟の守りを支える要となっている。昨年は4年ぶりに盗塁王のタイトルを獲得、ベストナインにも輝いた。守備範囲は広いがポカが多いのが玉に瑕でなかなか失策が減らない要因となっている。打撃は昨年やや不振で特に3月の打率.214、4月.190と序盤でつまづいた。ブンブン振り回す強打者タイプではないにもかかわらず年々三振率が高くなっているのは不安要素。

 

 

8 黃仕豪(ファン・シーハオ) 31歳 右右 3B 2B 1B

 

台南市出身

善化高中-合作金庫-誠泰Cobras代訓-誠泰Cobras(05~07)-米迪亞暴龍(08)-La New熊(09)-兄弟象(10~13)-中信兄弟(14~) 03年D4位

 

兄11 120試合 .300(440-132) 1本 59点 12盗塁 .335/.352 OPS.687 BB% 4.10% K% 10.66% RCWIN -0.55 16失策 守備率.963

兄12 112試合 .280(386-108) 0本 50点 7盗塁 .310/.332 OPS.642 BB% 2.63% K% 11.46% RCWIN -1.34 20失策 守備率.940

兄13 113試合 .267(412-110) 1本 41点 9盗塁 .308/.330 OPS.638 BB% 4.45% K% 10.47% RCWIN -0.75 16失策 守備率.940

 

レギュラーが怪しくなってきた三塁手。09年オフにLanewからトレードで移籍後、引退した元監督である陳瑞振の後を受け兄弟の三塁レギュラーに定着するも選球眼の悪さと長打力のなさには大いに不満が残るところ。守備時には投手が投げる前に完全にしゃがみこむのが習慣で、10~11年に2年連続でゴールデングラブを受賞した。その守備範囲は高く評価されるも、捕球時にミスが多い。今季は新外国人ロペスが三塁を守ると予想され、若手時代によく守っていた二塁の練習も久々にこなし内野の便利屋ポジションを目指している。二塁を公式戦で守ったのは10年が最後。まだ31歳と中堅ながらすでに中信兄弟で5球団目の所属。

 

 

23 彭政閔(ポン・ジェンミン) 36歳 右右 1B

 

高雄市出身

美和中學-合作金庫-國軍棒球隊-兄弟象(01~13)-中信兄弟(14~)   00年D1位

 

兄11 80試合 .314(277-87) 4本 55点 6盗塁 .405/.422 OPS.828 BB% 11.11% K% 13.51% RCWIN 0.66 6失策 守備率.988

兄12 119試合 .320(440-141) 14本 88点 7盗塁 .416/.480 OPS.895 BB% 13.19% K% 12.62% RCWIN 1.61 5失策 守備率.988

兄13 116試合 .318(403-128) 10本 74点 15盗塁 .419/.454 OPS.873 BB% 12.58% K% 13.21% RCWIN 2.04 8失策 守備率.992

 

台湾球界のレジェンド。36歳ながら入団から13年連続で打率3割を達成するなど打棒は衰えを知らず昨年も主に4番を打ち打線の軸として機能した。どんなボールにも力まず払うようなスイングで柔軟に対応し、右方向にも長打を打つことを可能としている。守備も近年は年齢から一塁専任となっているがキャッチング技術に長け安定したものを見せ、盗塁も積極的に仕掛け3年ぶりの二桁盗塁。昨年のWBC代表を最後に台湾代表からは一時的に引退し、「若い選手にチャンスを与えたい。職棒の選手は海外でプレーするチャンスがないので代表入りするのはよい勉強になるだろう。」とコメント。仁川アジア大会の代表編成に関して対立している棒協と職棒に関しては「大事なのはお互いが尊重しあうこと。私も選手会の代表として保険問題の解決を職棒に提起したが、改善にはまだ時間がかかるだろう」とした。

 

 

31 陳江和(チェン・ジャンヘ) 32歳 右右 2B SS

 

台南市出身

南英商工-中國文化大學-國家儲訓-中信鯨代訓-台灣電力-兄弟象(07~13)-中信兄弟(14~) 06年D1位

 

兄11 115試合 .262(385-101) 3本 49点 2盗塁 .298/.332 OPS.631 BB% 3.82% K% 7.64% RCWIN -1.38 10失策 守備率.985

兄12 118試合 .284(387-110) 3本 56点 3盗塁 .332/.346 OPS.678 BB% 5.16% K% 6.50% RCWIN -0.81 11失策 守備率.982

兄13 71試合 .270(226-61) 0本 22点 0盗塁 .313/.305 OPS.618 BB% 5.18% K% 8.37% RCWIN -0.67 4失策 守備率.989

 

二塁レギュラー。昨年は左太ももの故障で出場試合数が減少したものの高い守備力は健在。控えの内野手のレベルが低いためまだまだレギュラーで頑張ってもらわなくてはいけない存在だ。左投手に強く、ここ3年の打率は.317→.386→.309。以前はつなぎの2番としての出場が主だったが張志豪などの台頭もあり昨年と同じく今年も7、8番の下位打線での出場が予想される。

 

 

2 張民諺(ジャン・ミンイェン) 33歳 右左 1B RF LF

 

屏東縣出身

美和高中-合作金庫-La New熊(04~10)-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 03年D2位

 

兄11 81試合 .274(212-58) 2本 21点 0盗塁 .326/.363 OPS.689 BB% 3.88% K% 22.84% RCWIN -0.30 4失策 守備率.991

兄12 102試合 .287(279-80) 3本 37点 3盗塁 .324/.416 OPS.740 BB% 3.27% K% 15.69% RCWIN -0.29 5失策 守備率.992

兄13 83試合 .241(191-46) 3本 24点 0盗塁 .321/.372 OPS.693 BB% 8.68% K% 20.09% RCWIN -0.13 9失策 守備率.943

 

意外な長打力を秘める代打の切り札。10年オフにLanewも戦力外となり兄弟に入団後は一塁メインに一軍での居場所を確保。昨年は3番DHで開幕スタメンを勝ち取るも結果が出せず、代打稼業が中心となっていた。プロ入団から昨年までは右投げ両打ちで登録されていたが、当時のLanewの首脳陣は左打席に専念させたがっていた模様。しかし昨年から左打席に専念、今年から登録は「右投左打」に変更。今季は一塁も守れる林威助の加入でベンチで戦況を見守ることが多くなると思われるが代打での活躍に期待したい。

 

 

37 蔡明覺(ツァイ・ミンジュエ) 27歳 右右 2B 3B SS

 

基隆市出身

強恕中學-台北體院(榮工)-兄弟象レンタル-兄弟象代訓-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 09年D6位

 

兄11 46試合 .206(68-14) 0本 4点 2盗塁 .270/.206 OPS.476 BB% 6.41% K% 11.54% RCWIN -0.50 4失策 守備率.953

兄12 41試合 .312(64-20) 1本 7点 3盗塁 .348/.391 OPS.738 BB% 5.56% K% 25.00% RCWIN 0.01 1失策 守備率.983

兄13 71試合 .194(155-30) 0本 10点 1盗塁 .232/.232 OPS.464 BB% 4.07% K% 16.28% RCWIN -1.26 5失策 守備率.978

 

内野のサブとして存在感示したい選手。昨年は正二塁手である陳江和の故障もあり自己最多の71試合に出場し守備では貢献も打撃では8月に打率.323を記録するも他の月が軒並み低調で存在感を示せず。昨年のウインターリーグでは18試合に出場し打率.255。

 

 

22 陳威儒(チェン・ウェイルー) 29歳 右右 2B 3B

 

台中市出身

台中高農-國立體院(台灣啤酒)-合作金庫-兄弟象代訓-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 09年D16位

 

兄11 75試合 .250(152-38) 0本 16点 2盗塁 .282/.289 OPS.572 BB% 4.14% K% 16.57% RCWIN -0.72 3失策 守備率.966

兄12 12試合 .154(26-4) 0本 1点 0盗塁 .185/.154 OPS.339 BB% 3.70% K% 25.93% RCWIN -0.40 1失策 守備率.944

兄13 39試合 .133(83-11) 0本 7点 0盗塁 .172/.169 OPS.341 BB% 4.55% K% 23.86% RCWIN -0.97 6失策 守備率.950

 

こちらも内野のサブとしてポジション確立したい内野手。09年オフに八百長問題で選手が不足し球団が新人を大量に指名する必要に迫られた中での第16位という下位指名で入団。アマチュア時代は打席での粘りが評価され投手が打ち取ることが難しいという前評判だったが一軍では打席でのアプローチが散々たる現状。ただ二軍では3年連続打率3割を記録し守備も安定。中信兄弟の他の内野のサブと比べ年齢が高く、どんぐりの背比べ状態となっており、二軍で見せている打撃を一軍でアピールできなければ今オフにも肩を叩かれる可能性は十分にある。

 

 

36 鄭乃文(ジェン・ナイウェン) 33歳 右右 1B →7/31に引退

 

台南市出身

南英商工-嘉義大學-統一獅代訓-統一獅(06~07)-統一7-ELEVEn獅(08~12)-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 04年代訓D4位

 

統11 7試合 .125(16-2) 0本 0点 0盗塁 .125/.125 OPS.250 BB% 0.00% K% 31.25% RCWIN -0.25 守備機会なし

統兄12 29試合 .224(58-13) 0本 7点 0盗塁 .270/.259 OPS.529 BB% 6.35% K% 19.05% RCWIN -0.17(統) -0.23(兄) 1失策 守備率.990

兄13 20試合 .188(32-6) 1本 4点 0盗塁 .289/.281 OPS.571 BB% 10.53% K% 15.79% RCWIN -0.16 1失策 守備率.974

 

ベテラン一塁手。12年7月に李金木(統一)とのトレードで兄弟に移籍。昨年は4年ぶりに本塁打を放ったが移籍後ここ2年は結果を出したとは言えず、09年に64試合に出場し7本塁打を放ったシーズンが最後の輝きになってしまいそうな雰囲気さえ漂う。右の代打として結果を出したいが、ベンチには代打の切り札張民諺、レギュラーだった黃仕豪などが控えると予想されるため、まず出番がもらえるかどうかだろう。

 

 

61 蘇袁億(スー・ユェンイ) 29歳 右左 3B 2B

 

台中市出身

南英商工-國立體院(台灣啤酒)-中信鯨レンタル-La New熊代訓-La New熊(09)-台中威達-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 07年D2位

 

兄12(二軍) 59試合 .296(213-63) 0本 26点 4盗塁 .345/.408 OPS.753 BB% 5.69% K% 10.98% 10失策 守備率.944 

兄13 4試合 .333(6-2) 0本 0点 0盗塁 .333/.333 OPS.667 BB% 0.00% K% 16.67% RCWIN 0.00 2失策 守備率.500

 

昨年悲願の一軍出場を果たした苦労人。08年オフにLanewに入団もわずか1年で戦力外通告を受けアマチュアの名門、台中威達でプレー。しかし2年プレーした後に元プロでありながら台中威達からも解雇通告を受ける。本人は野球を辞め、他の仕事を探そうかと一時は考えたが最後の望みをつなぐため兄弟象に電話したところ、ちょうどチームが二軍を編成している時期であったことが幸いしチーム練習への合流を許可され入団。紆余曲折を経た野球人生でありながらも一軍出場を果たし、プロ初安打も放った彼の姿に感動したファンも少なくない。

 

 

52 朱偉銘(ジュ・ウェイミン) 29歳 右右 SS 3B 2B

 

雲林縣出身

南英商工-嘉義大學-統一獅レンタル-代訓藍レンタル-兄弟象代訓-台中威達-兄弟象(10~13)-中信兄弟(14~) 08年D5位

 

兄11 11試合 .167(6-1) 0本 0点 0盗塁 .167/.167 OPS.333 BB% 0.00% K% 50.00% RCWIN -0.10 0失策 守備率1.000

兄12(二軍) 58試合 .328(189-62) 1本 41点 5盗塁 .355/.450 OPS.805 BB% 4.31% K% 8.13% 6失策 守備率.975

兄13 3試合 .000(2-0) 0本 0点 0盗塁 .000/.000 OPS.000 BB% 0.00% K% 50.00% RCWIN -0.04 1失策 守備率.833

 

今季からトレーニングコーチ兼任の内野手。二軍では4年連続50試合に出場(二軍は全60試合)、守備もここ2年は成績が改善しているが一軍にはなかなか上がれない状態が続いている。ルーキーイヤーの10年には「8番・三塁」で開幕戦にスタメン出場し10年の職棒の公式戦において最初に得点を記録した。

 

 

9 楊展旭(ヤン・ジャンシュ) 29歳 右右 1B

 

台南市出身

高苑工商-嘉南藥理科技大學-統一獅レンタル-兄弟象代訓-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 09年D9位

 

兄11 23試合 .250(52-13) 0本 5点 0盗塁 .291/.269 OPS.560 BB% 5.45% K% 18.18% RCWIN -0.36 3失策 守備率.979 

兄12 3試合 .250(4-1) 0本 0点 0盗塁 .250/.250 OPS.500 BB% 0.00% K% 25.00% RCWIN -0.03 0失策 守備率1.000

兄13 1試合 .000(1-0) 0本 0点 0盗塁 .000/.000 OPS.000 BB% 0.00% K% 0.00% RCWIN -0.02 守備機会なし

 

二軍の帝王と化した一塁手。11年に故障で離脱していた彭政閔の代わりに一塁に就いていたが、ここ2年は二軍で主に4番で起用され打率3割をマーク。一塁専で長打力も大したものがなく、中信兄弟にいる限りはおそらく出番がないままと思われるが、目立つアピールポイントもなくトレードの弾になりそうもない。現状は内野手の人数が不足しているチームの数合わせになってしまっている感あり。

 

 

51 陳弘桂(チェン・ホングイ) 26歳 右右 3B SS 2B CF

 

嘉義縣出身

東石高中-嘉義大學-國訓中心-台北市-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 11年D5位

 

兄12 42試合 .228(57-13) 0本 6点 6盗塁 .333/.298 OPS.632 BB% 13.43% K% 22.39% RCWIN -0.16 8失策 守備率.864

兄13 4試合 .000(1-0) 0本 0点 0盗塁 .500/.000 OPS.500 BB% 50.00% K% 0.00% RCWIN 0.00 0失策 守備率1.000

 

ステップアップの3年目としたい内野手。アマチュア時代は安定した内野守備に定評があり、プロ入り後は三塁を主に二塁、遊撃もこなす。走塁技術は高く昨年は二軍で盗塁王を獲得、12年には一軍でも42試合で6盗塁を記録しており代走の切り札としてアピールすることも可能な存在。

 

 

32 徐睿擇(シュ・ルイゼ) 26歳 右左 3B 2B SS

 

台南市出身

高苑工商-嘉南藥理科技大學-統一獅レンタル-兄弟象代訓-兄弟象(11~13)-中信兄弟(14~) 10年D10位

 

兄11(二軍) 59試合 .226(208-47) 0本 18点 2盗塁 .280/.293 OPS.573 BB% 7.08% K% 8.41% 15失策 守備率.945

兄12 36試合 .183(60-11) 0本 2点 0盗塁 .269/.183 OPS.452 BB% 10.14% K% 11.59% RCWIN -0.51 1失策 守備率.975

兄13(二軍) 51試合 .235(162-38) 0本 15点 2盗塁 .298/.265 OPS.563 BB% 7.69% K% 5.49% 10失策 守備率.963

 

一軍で結果を出したい若手内野手。中信兄弟の内野のサブは複数人いるが、走力がなく守備も平凡なので他と比較すると若干見劣りする。王金勇打撃コーチは彼について「下半身、体力のパワーが不足しているのが守備範囲とキャッチングに影響を及ぼしてしまっている」としウエイトトレーニングで体力を身につけなければならないと評している。

 

 

20 羅培茲(フェリペ・ロペス) 34歳 右両 3B →4/6に解雇

 

プエルトリコ出身

レイク・ブラントリー高-ブルージェイズ-レッズ-ナショナルズ-カージナルス-ダイヤモンドバックス-ブルワーズ-カージナルス-レッドソックス-レイズ-ブルワーズ-中信兄弟(14~)

 

チームが5年ぶりに獲得した外国人野手。メジャー通算11年で1145安打、05年にはオールスター出場・シルバースラッガー賞受賞と実績は申し分ないがここ2年はチームに所属せずプエルトリコのウィンターリーグへ参加、そして最近は元マイナーリーガーのチャズ・ライトル氏の野球教室に、コーチとして参加していたものと見られ、趣味の音楽活動にも力を入れていた模様である。ただ台湾球界でのプレーに対する本人のモチベーションは高いようで、オープン戦でも「3番・三塁」で出場し打率.400(3/14現在)と順調にアピール。実戦でのプレーを見る限りは中距離ヒッターで台湾でもある程度率を残せそうなタイプ。無理に長打を狙わず広角に打球を打ち分けられればチームに貢献できるだろう。

 

 

5 耐克(ジム・ネグリッチ) 29歳 右左 2B 3B LF →5/13に登録、8/27に解雇

 

アメリカ出身

セイント・フランシス高-ピッツバーグ大-パイレーツ-マーリンズ-ナショナルズ-ブルージェイズ-米独立ランカスター・バーンストーマーズ-中信兄弟(14~)

 

不振で開幕早々解雇された羅培茲の穴を埋める形で入団した巧打者。昨年はブルージェイズAAAで108試合に出場し.285/.360/.385。守備も二塁を中心に安定したパフォーマンス。兄弟では外国人野手としては珍しく2番打者を任されるものとみられる。「故障者が多い内野手のポジションに彼を補強することで、戦力アップを図りたい」と陳正宏GMが話すように打線の不振が際立つチームにおいて長打は必要ないので、代わりに確実性のある打撃が求められる。

 

 

74 許基宏(シュウ・ジーホン) 22歳 右左 1B 3B

 

高雄市出身

高苑工商-台灣體大-兄弟象レンタル-ポップコーンリーグ・台湾電力-中信兄弟(14~) 14年D2位

 

内野の選手層が薄い兄弟にとって待望のプロスペクト。高校を卒業後台灣體大でアメリカ行きのチャンスを待ちながら打順は中軸を任され、ナショナルチームの代表にも選ばれた。打撃は内角高めが得意コースで187cm、103kgの立派な体躯から長打を放ち、選球眼も申し分ない。ただ走塁技術とスピードが物足りず、プロで鍛えなおす必要があるだろう。また守備に関しては三塁を守ることが少なかったため三塁守備の評価がしにくい。兄弟で長打力のある内野手は強化したいポイントだっただけに、彼の加入は大きい。偉大な大打者である彭政閔の後継者となれるような成長を期待したい。

 

 

69 張志強(ジャン・ジーチャン) 25歳 右左 2B 3B SS

 

宜蘭縣出身

中道中學-中國文化大學-Lamigo桃猿練習生-國訓中心-台北市-中信兄弟(14~) 14年D5位

 

小柄な体格を守備でカバーする内野手。168cm、78kgと体格には恵まれずパワーは乏しいものの三塁では広い守備範囲を有し、キャッチングも確実でイージーミスをしない。そして何より強肩が一番の武器で三塁ファールゾーンからの一塁送球も楽々とこなす。打撃も決して悪くはなく力強いスイングで速いライナー、ゴロの打球を放ち、じっくりと甘い球が来るまで我慢できるだけの選球眼も備えている。兄弟ではいきなり一軍の内野のレギュラーを狙うのは厳しいかもしれないが、内野ならどこでも守れる便利屋としてであれば生き残るチャンスは十分にある。

 

 

55 蔡益民(ツァイ・イーミン) 24歳 左左 1B 

 

台南市出身

新社高中-開南大學-新北市-中信兄弟(14~) 14年D7位

 

パワー溢れる大型一塁手。大学三年生頃まで投手としてプレー、最速89マイルほどを投げていたもののあまりの制球難にやむなく打者転向。191cm、115kgの体躯を活かしパワフルな打撃を見せるものの、一方で腰の開きが早くスイングがシャープでないためプロでもアマと変わらぬ打撃を披露できるか不安視する向きもある。ここまでの体重にしたのは兵役を逃れるためとの噂もあるがもう少し体を絞ってもらいたいところ。

 

 

98 陳偉漢(チェン・ウェイハン) 25歳 右右 2B SS

 

台中市出身

穀保家商-台灣體大-兄弟象レンタル-興農牛レンタル-國訓中心-台中威達-中信兄弟(14~) 14年D9位

 

守りがアピールポイントのルーキー。大学時代は二遊間に能力ある選手が揃っていたため大学二年時以外は代打、守備固めでの出場がメインだった。國訓に入ってからは不動の1番として活躍し春季リーグでは.320を打ったことも。スイング後のフォロースルーの不安定さが長打を生み出しにくい原因となっており、またバッティング技術である程度自身の選球眼の悪さを補っている。守備範囲は平均以上でゴロの処理もスムーズに行うが、プロでは守備固めとして生き残れるかは微妙。兄弟の内野手はある程度守れる選手が揃っているだけに打撃が開花すれば大きな付加価値を持つことになる。

 

 

・外野手

 

6 張正偉(ジャン・ジェンウェイ) 28歳 左左 RF CF

 

台東縣出身

台東體中-開南大學-代訓藍レンタル-興農牛代訓-台灣電力-兄弟象(10~13)-中信兄弟(14~) 08年D7位

 

兄11 120試合 .351(484-170) 0本 44点 33盗塁 .424/.438 OPS.862 BB% 9.53% K% 11.51% RCWIN 2.80 6失策 守備率.978

兄12 118試合 .352(489-172) 0本 50点 22盗塁 .411/.466 OPS.878 BB% 7.99% K% 9.80% RCWIN 2.07 8失策 守備率.969

兄13 98試合 .308(402-124) 0本 32点 16盗塁 .351/.361 OPS.712 BB% 4.84% K% 9.22% RCWIN 0.16 7失策 守備率.972

 

台湾の安打製造機。シーズン前にWBCに出場、開幕から3試合に出場したところで歩くことも困難なほどの脊髄の故障で約1か月離脱、プロ入り初の二軍落ちとなった。復帰後はそれなりの活躍で3年連続3割、ベストナインに輝く。特に昨年は9月27日から13試合連続で3番を打った時の活躍ぶりが目覚ましく、その間の打率は.436。(55-24)今年ここまでのオープン戦では1番を打っているが、シーズン途中に再び3番に入るか注目だ。左投手を苦にせず入団から3割以上打っている一方で、四球率が徐々に低下しているのは気がかり。守備は12年途中に中堅から右翼へコンバート。守備範囲は広いものの球際に弱く、打球判断に難あり。

 

 

16 周思齊(ジョウ・スーチー) 33歳 左左 LF RF

 

花蓮縣出身

高苑工商-輔仁大學-國家儲訓-誠泰Cobras代訓-誠泰Cobras(05~07)-米迪亞暴龍(08)-兄弟象(09~13)-中信兄弟(14~) 03年D3位

 

兄11 120試合 .302(447-135) 7本 88点 5盗塁 .368/.459 OPS.827 BB% 9.13% K% 14.95% RCWIN 1.48 2失策 守備率.986

兄12 118試合 .365(433-158) 21本 91点 4盗塁 .462/.587 OPS1.049 BB% 14.07% K% 10.79% RCWIN 4.23 3失策 守備率.983

兄13 105試合 .316(399-126) 8本 54点 6盗塁 .373/.451 OPS.824 BB% 7.64% K% 12.81% RCWIN 1.50 0失策 守備率1.000

 

昨年のWBC二次リーグ日本戦では8回裏に田中将大(ヤンキース)から一時勝ち越しとなるタイムリーを放った中信兄弟の打線の柱。シーズンMVPを獲得した12年に比べ昨年は成績を落としたが打線が弱いチームにとっては必要不可欠な存在であり、今オフに5年、最高月給60万元の複数年契約を結んだのは球団の彼への信頼と期待の表れである。広角に打ち分けられることができ、率も残せる中距離ヒッターとして今季は5番での起用が予想される。敬虔なキリスト教信者であり、08年にはヤクザから八百長を金銭、暴力などの手段によって持ち掛けられるもキリスト教の教えに倣い頑なに誘いを断り、またかつて自分が小さい頃家庭が貧しく奨学金をもらって野球を続けていたことも影響し、今年から試合で獲得したボーナスの中から貧しい野球少年のために「野球奨学金」をスタートさせると発表。成績だけでなく人格も素晴らしい人物だ。

 

 

7 張志豪(ジャン・ジーハオ) 27歳 右左 CF

 

台東縣出身

高苑工商-台灣體院(富邦公牛)-合作金庫-中信鯨代訓-合作金庫-兄弟象(10~13)-中信兄弟(14~) 09年D2位

 

兄11 106試合 .298(379-113) 3本 59点 21盗塁 .371/.425 OPS.796 BB% 9.11% K% 17.08% RCWIN 0.80 8失策 守備率.965

兄12 113試合 .274(405-111) 3本 43点 22盗塁 .347/.368 OPS.715 BB% 9.23% K% 19.74% RCWIN -0.26 7失策 守備率.973

兄13 103試合 .270(382-103) 3本 30点 13盗塁 .336/.369 OPS.705 BB% 7.53% K% 16.21% RCWIN -0.12 7失策 守備率.973

 

俊足のレギュラー中堅手。昨年は初のゴールデングラブ賞を獲得、2番と3番を主に打ち中軸への橋渡し役となった。小技が上手な方ではなくバットを振り回すタイプ。ボールを引っ張り三塁打にすることに長け10年、12年はシーズン10本の三塁打を記録。(シーズン二桁の三塁打は彼以外に職棒24年の歴史で3人しか達成していない。)守備については、守備範囲は広いものの集中力、打球処理の甘さが時々見受けられる。

 

 

10 郭健瑜(クォ・ジェンユ) 30歳 右右 LF CF 

 

屏東縣出身

穀保家商-中國文化大學-統一獅代訓-合作金庫-興農牛(09~10)-兄弟象(10~13)-中信兄弟(14~) 07年D2位

 

兄12 78試合 .226(159-36) 2本 30点 0盗塁 .256/.340 OPS.596 BB% 4.12% K% 19.41% RCWIN -0.83 0失策 守備率1.000

兄13 101試合 .288(368-106) 0本 24点 8盗塁 .331/.323 OPS.654 BB% 5.74% K% 18.20% RCWIN -0.76 2失策 守備率.989

 

投手からの転向がついに花を咲かせた外野手。09年にプロ入り後リリーフメインに通算68試合に登板したが制球難が改善されず、12年から野手転向を決断。12年は2本の本塁打を記録、まずまずの結果を残すと昨年は周思齊、張正偉の故障による離脱でチャンスを掴むと開幕からスタメンに定着し初の規定打席を達成した。

 

 

53 簡富智(ジェン・フージー) 28歳 右右 CF RF LF 

 

台東縣出身

台東農工-嘉南藥理科技大學-統一獅レンタル-台灣電力-兄弟象代訓-台灣電力-兄弟象(10~13)-中信兄弟(14~) 08年D8位

 

兄11 39試合 .133(15-2) 0本 1点 1盗塁 .222/.200 OPS.422 BB% 10.53% K% 15.79% RCWIN -0.23 2失策 守備率.857

兄12 4試合 .000(2-0) 0本 0点 0盗塁 .000/.000 OPS.000 BB% 0.00% K% 0.00% RCWIN -0.04 守備機会なし

兄13 74試合 .278(162-45) 2本 13点 8盗塁 .312/.340 OPS.651 BB% 3.43% K% 16.57% RCWIN -0.20 1失策 守備率.990

 

代走屋からの脱却を果たした外野手。12年に二軍で盗塁王に輝くなど走塁には長けたものを持っていたが一軍外野手の層は厚く代走での途中出場が多かった。しかし昨年は張志豪の離脱の間スタメンとして出場、6月は月間打率.432と活躍。「一軍の雰囲気に慣れた」という今年は20盗塁を目標に掲げる。

 

 

57 陳皓然(チェン・ハオラン) 28歳 右右 RF

 

台東縣出身

台東農工-嘉南藥理科技大學-統一獅レンタル-兄弟象レンタル-國家儲訓-桃園航空城-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 11年D3位

 

兄12 1試合 .000(2-0) 0本 0点 0盗塁 .000/.000 OPS.000 BB% 0.00% K% 100.00% RCWIN -0.04 守備機会なし

兄13 4試合 .200(10-2) 0本 1点 0盗塁 .333/.200 OPS.533 BB% 16.67% K% 8.33% RCWIN -0.12 1失策 守備率.857

 

二軍での実績は申し分ない外野手。昨年はオープン戦の打率が.353と好調で3/29~4/2の4試合で「9番右翼」としてスタメン出場を果たした。二軍では主に「3番右翼」として出場し、首位打者と最多安打のタイトルを獲得。アマチュア時代は課題とされた選球眼もここ2年の二軍での四球率は10%前後で向上が見られ、一軍の外野手の層が薄ければすぐにでもレギュラーを奪えそうな選手である。

 

 

1 陳子豪(チェン・ズーハオ) 19歳 左左 LF

 

台東縣出身

高苑工商-兄弟象(13)-中信兄弟(14~) 13年高D2位

 

兄13 1試合 .000(3-0) 0本 0点 0盗塁 .000/.000 OPS.000 BB% 0.00% K% 0.00% RCWIN -0.06 0失策 守備率1.000

 

職棒のスラッガーになる可能性を秘めたプロスペクト。スイングスピード、選球眼、コンタクト能力は一軍でも通用するレベル。昨年は一軍最終戦の統一戦に「9番・左翼」で先発し二塁を守っていた林志祥に2本も安打性の当たりを上手く捕球されプロ初安打とはならなかったものの、打撃レベルの高さを示した。反対に守備は若干難があり足がそれほど速くなく、また守備範囲も狭いため左翼を中心に守っていた。年齢も若く守備を鍛え、また変化球への対応力を高めれば中信兄弟の次世代のスター選手になれることだろう。ウインターリーグでは全試合に出場し.273/.313/.377、打点はチームトップの13を記録。

 

 

28 李祖岑(リ・ズーツェン) 28歳 左左 LF CF

 

屏東縣出身

屏東高中-台北體院(榮工)-合作金庫-台灣電力-台北市-兄弟象(12~13)-中信兄弟(14~) 11年D4位

 

兄12 4試合 -(0-0) 0本 0点 0盗塁 1.000/.000 OPS1.000 BB% 0.00% K% 0.00% RCWIN -0.01 守備機会なし

兄13(二軍) 58試合 .284(218-62) 0本 23点 9盗塁 .340/.321 OPS.661 BB% 7.85% K% 13.22% 0失策 守備率1.000 

 

1番打者タイプの小柄な外野手。165cm、63kgの体格ゆえパワーは皆無も走力、ミートのうまさを武器とする。年齢的にも今年が勝負のシーズン。なんとか激戦の外野陣に割って入るにはまずは代走でアピールするのが一番か。

 

 

24 林威助(リン・ウェイジュ) 35歳 左左 LF 1B

 

台中市出身

柳川高-近畿大学-阪神タイガース-中信兄弟(14~) 13年D3位

 

NPBから母国に戻った35歳の童顔ルーキー。中信兄弟ではクリーンアップを任されることが濃厚で、守備位置は左翼、一塁を守れるが、謝長亨監督はDHで起用したい意向だ。阪神時代につけていた背番号31は既に陳江和がつけており、陳江和も彼に背番号を譲る意思を見せていたものの、「それは申し訳ない」として代表チームでつけていた24番に。ここ数年の長打力不足を解消する存在として期待がかかっており、日本からも「威助ギャル」が台湾まで追っかけに来るのではないかと予想されている。 

 

 

49 林王啟瑋(リンワン・チーウェイ) 25歳 右右 RF LF CF 

 

花蓮縣出身

高苑工商-台灣體院-興農牛レンタル-國訓中心-台中威達-中信兄弟(14~) 14年D6位

 

パワー溢れる即戦力ルーキー。今年のポップコーンリーグでは26試合で43安打、2HR、打率.467の大爆発。アマ時代は常にクリーンアップを打っていた。打撃はパワーはもちろんのこと選球眼の良さとテクニックを兼ね備える一方、守備はフライの捕球時に捕球位置を迷うことがあり少々見ている者を不安にさせる。ここ最近若手の長距離砲がなかなか育っていない職棒において、シーズン10本塁打以上を狙えるスラッガーの加入は大きい。

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