写真:https://www.facebook.com/GoGoUNILIONS

チアガール「Uni-girls」

写真:https://www.facebook.com/Kaylapeng2

全選手個人成績(投手)

全選手個人成績(野手)

 

 

・2014年成績 

前期:32勝24敗4分 .571(2位) 

後期:26勝31敗3分 .456(4位) 

シーズン:58勝55敗7分 .513(2位) 

ピタゴラス勝率:58勝62敗 .484

得点:520(3位) 失点:537(4位) 得失点差:-17(4位)

1試合平均観客動員数:4828人(3位) ホーム1試合平均観客動員数:4918人(3位)

 

 

・チームデータ【打撃・走塁】

得点:520(3位)

OPS:.680(4位)

打率:.262(4位)

出塁率:.324(4位)

長打率:.356(4位)

本塁打:55(1位)

四球:343(1位)

三振:820(4位)

犠打:35(4位)

犠飛:40(4位)

盗塁成功率:68.5%(4位)

 

 

・チームデータ【投手・守備】

失点:537(4位)

防御率:3.73(2位)

先発防御率:3.56(2位)

救援防御率:4.05(3位)

FIP:3.98(4位)

WHIP:1.40(4位)

BB/9:2.70(3位)

K/9:5.20(4位)

被本塁打:57(3位)

失策:111(4位)

DER:.658(2位)

 

 

・月別チーム成績

3月:3勝4敗      得点25 失点34 得失点差-9

4月:12勝8敗1分   得点124 失点99 得失点差+25

5月:128敗1分   得点86 失点105 得失点差-19

6月:5勝4敗2分     得点31 失点34 得失点差-3

7月:8勝8敗      得点60 失点59   得失点差+1

8月:9勝13敗        得点98 失点111  得失点差-13

9月:7勝9敗3分   得点81 失点84  得失点差-3

10月:2勝1敗    得点15 失点11  得失点差+4



・状況別成績

ホーム:30勝26敗4分(2位)

アウェー:28勝29敗3分(2位)

1点差試合:20勝19敗

延長戦:4勝4敗5分

対右先発投手:34勝37敗4分

対左先発投手:24勝18敗3分

 

 

・チームサマリー

最多貯金:10

最多借金:2

1試合最多得点:19

1試合最多失点:18

最大連勝:4(4/6~4/11、5/4~5/10、7/17~7/20、9/6~9/11)

最大連敗:4(8/9~8/15、9/18~9/25)

完封:5

被完封:8

 

 

 ここ8年で5度のシリーズ制覇、3年連続でシリーズ出場を果たしていたチームは今年シーズン2位でありながらシリーズ出場さえ叶わなかった。陳連宏監督はこの事に関し「現行のシリーズ進出のルールを変更すべきだ」と主張し、確かにそれについては一考の余地はあるものの、今年の統一の戦いぶりはシーズン2位という成績に物足りぬものであったこともまた事実である。何が足りず、どのような問題点を抱えての戦いだったのか。そこに意識を置きつつこの一年を振り返りたい。

 

 開幕戦は3月22日の義大戦であった。一軍初出場となった苦労人、王寶篁がいきなりの活躍を見せ4-8で白星発進したものの、多くのファンは試合前のスタメンを見て目を疑ったことだろう。なんと前年に打点王を獲得した主砲・張泰山の名前がそこにはなかったのである。結局開幕から4戦スタメンで出場することはなく、以降もベンチを温める日々が多くなってしまった。大きな怪我がないにも関わらず出場機会が減少したことについては監督との不仲説などが取りざたされたものの真意は不明である。ただしこの監督の選択がファンの不信感をより一層募らせる結果となったのは間違いない事実だ。しかし3月はそのような騒動がありながらも3勝4敗で乗り切った。

 

 4月は打線が好調で平均得点は5.90点をマーク。絶好調ラミゴを追いかける形で戦いを進め、4月末時点では3.0ゲーム差の2位につけた。フィゲロア(費古洛)-マルティス(馬帝斯)-羅錦龍-王鏡銘-廖文揚と先発ローテもしっかりと機能しチームの好調を支える原動力となった。

 

 5月に入ると若干打線が低調気味ながら4つの貯金を作り2位をキープ。野手では鄧志偉がこの月HR6本、OPS.937と好調で開幕から4番を打ち続けるにふさわしい活躍を見せた。投手も怪我で開幕に間に合わなかった潘威倫が先発ローテに戻り5月は26.2IP/ERA2.70で2勝をあげた。

 

 6月は投手陣が好調ながら打線は相変わらずの低調ぶりで勝ち星を伸ばせなかった。特にほぼこの一か月間羅錦龍が怪我で離脱し、開幕から2番に定着していた劉芙豪も.139/.311/.222と不振に陥ったのが痛かった。首位ラミゴとのゲーム差を縮めることはできず6.0ゲーム差の2位で前期は終了。シーズン途中に行われたドラフトでは米球界からも高い評価を受けていた陳韻文など6人中3人が高卒選手と将来性を重視したドラフトを展開した。

 

 後期に入ると不振の劉芙豪に代わり羅國龍が2番を打つようになり7月は.328/.343/.484と前評判通りの活躍を見せた。しかしチームを月の終盤悲報が襲う。なんと潘威倫が以前故障していた右腕を再び傷め26日に緊急手術、以降の登板はなかった。8月に入るとこれまで動きがなかった外国人枠にもメスが入り、イニングは食っていたものの138IP/172Hと昨年ほどのパフォーマンスに至らなかったフィゲロア、セットアッパーとしての活躍を期待されるも今一つ安定感に欠けたボンサー(邦勝)を解雇し、代わりにNPBロッテーでプレー経験のあるマーフィー(畢爾)、ポップコーンリーグで好成績を残していたリバス(李韋斯)を獲得し、怪我人が相次いでいた先発陣の補強を行うことで9月反攻を狙った。しかしながら首位と4.5ゲーム差という微妙な「距離」は柱と言える選手がいなかった今季の統一にとっては遠すぎた。

 

 9月で混戦の後期優勝争いから抜け出したかったチームだが、結果は思いとは裏腹に7勝9敗と負け越し。HRがすっかり出なくなってしまった鄧志偉に代わり4番には張泰山が入りこの月.403/.459/.582 HR3本とこれまでの鬱憤を晴らすかのように打ちまくったが、活躍が期待されたマーフィーとリバスの先発試合で3勝5敗2分と負けがこんでしまったのが誤算だった。28日の義大戦で0-11と完封負けを喫し後期の優勝可能性が消滅。それと同時に台湾シリーズ連続出場も3年でストップすることが確定した。

 

 10月の3試合は完全な消化試合となり、4日の義大戦で守護神郭泓志が「3番DH」でスタメン(結果は5打数ノーヒット)、そして最終戦の12日兄弟戦で相手先発コディの前に14Kを喫し完封負け、兄弟の後期優勝をお膳立てするくらいしか最早見せ場は残されていなかった。常勝球団にしてはあまりに悲しすぎるシーズン最終盤だったと言えるだろう。

 

 投手陣は13年の528失点(2位)から537失点(4位)と数字を落とした。その原因は怪我人が多くローテ4番手以降を固定できなかった先発投手陣と安定感を欠いた救援陣両方にある。先発は自己最多の10勝とブレイクした廖文揚、唯一一年間ローテーションを守ったマルティス(8勝)、途中解雇されたフィゲロア(8勝)と3番手までは数字を残したがそれ以降怪我で離脱した羅錦龍(6勝)、潘威倫(5勝)にとどまり、前年9勝をあげた王鏡銘は先発とリリーフ両方をこなしたが安定感に欠け1勝止まりだったのも痛かった。10先発以上した投手の中でFIPが3.50以下の選手が羅錦龍(3.45)1人しかいないことからも先発投手の不振ぶりが伺える。救援陣もMLBで実績のある郭泓志が一年間抑えを務め27Sをマークしたが一方6敗を喫するなど期待値の高さに見合った活躍ができなかった。そして中継ぎも傳于剛がERA1.67→4.09、高建三がERA2.15→4.08、林岳平がERA2.66→4.97と軒並み数字を落とした。ただシリーズ制覇を果たした13年の救援陣は登板数上位4人が全て防御率3点を切り、規定投球回到達者がいなかった先発陣を支えていたため、今年は揺り戻しが来てしまったと見ることも可能であろう。

 

 むしろ心配すべきは野手陣にあるのかもしれない。2Bの林志祥こそリーグトップクラスの2Bにふさわしい活躍を見せたが、陳鏞基はリーグ3位のWin Shares(17.7)をマークと脂の乗り切った時期を迎えながら膝に不安を抱え来季はSSから3Bコンバートとなり、劉芙豪は3年ぶりの二桁本塁打(11本)を放ち復調したが36歳。同じく36歳の高國慶に至っては自己最低の2HRに終わり、正捕手の高志綱(33歳)は年々盗塁阻止率が下降し衰えが見られる。常勝球団を支えてきた30台中盤~後半のベテランが今後成績を落としていくことを考えれば若手の特に中長距離砲の育成が急がれるが、今季主に4番を務めた鄧志偉は8月以降HRが出ず11本止まりと物足りない成績に終わり、一発のある打撃が魅力の郭俊佑はわずか1HR。55HRはリーグ最多ながらその多くはベテランの選手が稼ぎ出したもので、内野手の若手は軒並み長打力の乏しい選手が揃い、外野手の若手も俊足巧打タイプばかりで主軸を任せられる選手が見つからない。鄧志偉の次に20代でHRを多く打っている選手が唐肇廷の3HRという現実にもっと向き合う必要があるだろう。来季は外野を守れる長距離砲を外国人として獲得することも考慮すべきかもしれない。また打線全体としては他3球団がチーム三振数600個台にとどまる中、ダントツの820個という大味な打撃も反省に値する。

 

 今オフは投手コーチに昨年までソフトバンクの投手コーチを務めた郭泰源、打撃コーチにはMLBパドレスからフィル・プランティアーを招聘した。郭泰源は投手コーチ兼ヘッドコーチという重役を担い、江辰晏や陳韻文など能力ある若手投手が多い統一で彼らの育成を主に求められる立場となる。またフィル・プランティアーも両翼の広い本拠地で長打力ある選手の育成を求められることになるだろう。

 8年で5度のシリーズ制覇を達成した常勝球団は来季過渡期を迎えた中での船出となる。幸いにして素質のある若手選手が多く、彼らの成長が最大の補強となることは間違いない。勝ち慣れてしまった統一のファンにはもどかしいシーズンになってしまう可能性も無きにしもあらずだが、次世代の統一のスター選手を発掘するための産みの苦しみと捉えるべきではないだろうか。

原稿執筆の依頼、ご連絡などはkenji19930522@gmail.com

までお願いいたします。